犬のしつけ方

『吠える犬のしつけ 4つの鍵』 今すぐできる!

2017/03/20

吠える犬のしつけ

犬と暮らす上で大切になってくるしつけ。特に吠える犬のしつけに関して悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

折角かわいい愛犬と暮らしていても、吠えることが原因で気まずくなったり、困ったりすることばかりでは辛いもの。「そうは言っても吠える犬のしつけは難しい」と吠え続ける愛犬の姿を眺めつつ、半ば諦めてしまってはいませんか?

今回はそんなお悩みのために、今からでもすぐにできる吠える犬のしつけ方法をまとめてみました。

1. 吠える犬のしつけ 鍵その1〜吠える理由を知ろう!〜

吠える犬のしつけを行うにあたり、まずはその理由を知ることが大切です。吠えることは犬の本能であり、何かを伝える手段です。人間は言葉を使って意思を伝えることができますが、犬は吠えることがコミュニケーションの方法の一つとなるわけです。

けれど、吠えることばかりがコミュニケーションではないですよね。犬にも様々な感情や表現方法があるはずですから。

では、犬にとってどんな時が「吠える時」なのでしょう?具体的な理由として、大きく分けて以下の2つのことがあげられます。

①威嚇・攻撃
②要求

①の「威嚇・攻撃」は、外敵に対しての行動です。知らない人間や他の犬、また大きな音で動く掃除機など、その犬にとって「敵だ!」と思う存在に対して威嚇・攻撃することで身を守ろうとしているのです。

ただし、本来群れで生活をする犬にとって、仲間を守るのはリーダーの仕事。人間の方がリーダー(自分より強くて偉い存在)だと犬が認めている場合、むやみに敵に向かって吠えかかるということはあまりないようです。犬が威嚇・攻撃のために他者に向かって吠える時、それはつまり、自分が人間より偉い・自分こそリーダーであり人間を守らなくてはならないという気持ちの表れなのです。

ですから、人と主従関係がきちんと築けている犬は、「リーダーは人間であり自分ではない。自分はリーダー(人間)に守られている立場だから自分が攻撃に出なくても大丈夫。」と考えるので、敵と思える存在がいたとしてもやたらと吠えることはないのです。そういう意味でも、犬とのパートナーシップ(主従関係)を正しく築くことが犬が吠えることを減らすことに繋がっていくのですね。

一方、②の「要求」は、言い換えれば「自己主張」。あそびたい・なにか食べたい・外に行きたい、など犬が自分のやりたいことを人に伝える手段として吠えるという方法を選んでいるのです。

ただし、これも、きちんと犬をしつけ、コミュニケーションを取る努力を人間側が行えば、要求の度に吠えるということはなくなります。要求の度に吠えるということは、吠えると願いが叶うと犬が認識してしまっているということ。

また、①と同じく、自分のほうが偉いので、言うことを聞け!という気持ちになっていることも考えられます。どちらにせよ、これもパートナーシップと、正しいしつけが関係しているわけですね。

また、よく「うちの犬は○○が恐くて吠えちゃうのよね、かわいそうに…」という方がいらっしゃいますが、犬が恐怖感から吠えるということは本来少ないそうです。吠えるのはあくまで攻撃体制。それを知らないで、恐かったね、かわいそうにね、とそこでまたオヤツをあげたりすると、かえって吠える癖を助長させてしまうかもしれないのです。

以上をふまえて「うちの子はなぜ吠えているのかな?」という視点から、もう一度よくよく愛犬を観察し、その子が置かれている状況を理解してあげてくださいね。

2. 吠える犬のしつけ 鍵その2〜今すぐ止めさせるワザ!〜

吠える理由は分かったけれど、とにもかくにも、目の前の愛犬が吠えるのを今すぐなんとかしたい…!そう思う方がほとんどだと思います。

次は、実際に使える、吠える犬をすぐにストップさせる裏ワザ、「吠える犬のしつけ 今すぐ出来る編」をお伝えします。

すぐに吠えるのをストップさせるためには、犬の意識を吠えることから他に逸らすことがポイントです。もっとカンタンに言えば、「その子の好きなことで気を紛らわせる」ということです。

たとえば、

・オヤツ
・オモチャ
・ブラッシング(日頃からグルーミングや撫でられるのが好きな犬の場合)

などが効果的だと言えます。

また、これにはタイミングもとても大切です。なぜなら、吠えてからすぐにオヤツをあげてしまうと、犬は「吠えればオヤツをもらえる。吠えれば自分の要求が通る。」と思ってしまいます。これを何度もやってしまうと、犬は間違った認識で吠えるということを覚えてしまいます。いわゆる“吠え癖”のはじまりです。

ポイントは、「吠える前に与えること」です。犬をよく観察し、吠えそうだなと思った時にサッとオヤツの入った袋を犬に見せ、「オヤツ食べる?」などと声がけをしてあげてください。声がけするのも、大切なコミュニケーション方法です。そうすると、犬は吠えるよりも目の前にあるオヤツ(好きなこと)に気持ちが向きますから、その瞬間吠えるという行動にはいかなくなるわけです。

吠える前に、というのが大切なので、いつでもすぐにオヤツが出せるように準備しておくなど、サッと対応できるようにしておくと良いでしょう。くれぐれもタイミングが大切。吠えてからオヤツやオモチャを与えてしまうのはNGです。そのために、日頃からよく犬を観察してその子の癖を見つけておくことも肝心です。

3. 吠える犬のしつけ 鍵その3〜吠えない犬にしよう!〜

吠える理由も、すぐに止めさせるワザも分かった。これでもう悩むことはない…!さて、本当にそうでしょうか?「鍵その2」でお伝えしたことは、結局その場をなんとか落ち着かせるための付け焼き刃的な方法であり、問題の根本的な解決とは言えません。本当の意味での吠える犬のしつけ。それが出来れば、もう吠える愛犬に頭を悩ませ、周囲に気を使って過ごすこともなくなりますよね。というわけで、ここでは「吠える犬のしつけ 根本解決編」をお伝えしたいと思います!

根本的解決のためのポイントは、犬が自分から吠えることを控えるようにすること。むやみに吠えなくていいと分かっている犬になることです。これを目標として、以下のことを実践してみてください。

①正しい主従関係を築く

ここまでもお伝えしてきましたが、人間のほうがリーダーで上の立場であると認識している犬は、威嚇の意味でも要求の意味でも、むやみに吠えることは少なくなります。これは吠える犬のしつけに限らず言えることですが、正しいパートナーシップを身につけるということは犬との暮らしを楽しむためには欠かせないことなのです。

具体的には、犬の要求を受けすぎない、吠えてもすぐに対応しないなど、誰がリーダーなのかをはっきり伝わるような姿勢で犬に接することです。これは叩いたり叱ったりするということでも、全く甘やかしてはいけないということでもありません。犬はもともと人間と暮らすことが得意な生き物ですから、人間の意識をキャッチすることは私たちが思っている以上によくできるのです。

ハッピーな暮らしのために、正しい関係性を日々、犬に伝えましょう。

②吠えないことを学ばせる

吠えてしまった時に、すぐに叱っても、あまり効果はありません。吠えている時は犬は大抵興奮していますから、いくら人間が大きな声で伝えても犬の耳には届いていないことが多いのです。

では、どうすれば「吠えてはいけない」「吠えないほうが良いことがある」ということを犬に理解させることができるのでしょうか?

具体的には、
・吠えたら声がけはしない。(吠えてもかまってもらえないことを態度で示す)
・吠え続ける場合は、何か音を立てて気をそらす。(新聞紙を丸めて床や壁をトントン叩く、鍵の束や割れない食器や空きカンなどを床に落とす、など)

音を出すのは、犬がびっくりしたり、「何の音?」と思って吠えるのをやめることが目的です。吠えるとびっくりすることが起きるな、あまり良いことは起こらないなと犬が自覚していけば、自然と吠えることを控えるようになります。

また、吠えるのをやめて、犬が落ち着いたら、褒めてあげるのも効果的です。吠えた後すぐに褒めると、犬は「吠えたら褒められた」と誤認識してしまう可能性もあるので、一旦落ち着いた状態になってから褒めるのがポイントです。

③苦手な音に慣れさせる

犬によっては、ある特定の音に対して威嚇する意味で吠えてしまう子も多くいますね。雷、ドライヤー、インターホン、掃除機などがよくあるのではないでしょうか。そういう犬への対策として、その音がその子にとって普通なことになればいいわけです。

具体的には、その音をあらかじめスマートフォンなどで録音しておいて、毎日10分以内くらい、その録音を犬がいる部屋で流しておきます。最初は短い時間で、また小さなボリュームから始めてください。突然苦手な音が大音量かつ長時間流れたら、人間だっストレスになりますよね。

音を流して吠えても、声をかけたりオヤツをあげたりしないで、放っておいて様子を見守ってください。犬によってはパニックになることもあるかもしれませんので、あまりに辛そうな時は、様子を見てストップするなどして負担が一度にかかりすぎないようにしましょう。

あくまで長期的に、少しずつ少しずつ、慣れさせていくことが大切です。慣れてきて、音が流れても吠えないようになったり、はじめは吠えても少ししたら吠えるのをやめたら、落ち着いたタイミングでたくさん褒めてあげてください。

そうすると、音に慣れて苦手が軽減すると同時に、「音が聞こえても吠えなければ褒めてもらえる」と犬は覚えて、吠えることを自ら選択しないようになるはずです。

もちろん、これらの方法は、子犬の頃から実践しているほうがより早く身につけられます。ですが、基本的にはどんな犬でも、大人の犬でも遅いということはありません。長い目で、またその子それぞれの個性を大切にしながら、その子に合う方法を見つけつつ取り組んでみてくださいね。

4. 吠える犬のしつけ 鍵その4〜これはダメ!な方法〜

ここまで、「吠える犬のしつけ 鍵その1、2、3」とお伝えしてきました。今これを読んでくださっているあなたが、この記事を読む前と比べて、よーし実践してみるぞ!と前向きな気持ちになってくださっていたらいいなと思っています。では、実際に犬に接する前に、最後にもうひとつ大切なことをお伝えします。

吠える犬のしつけを正しく実践し、犬も人間もハッピーになるために、なるべく避けたいしつけ方を是非知っておいてください。

①叩き癖

いくら頑張ってしつけてもうまくいかない、一向に吠えるのをやめない犬に対して、ついつい手が出てしまうこともあるかもしれません。けれど、それは人間への体罰と同じ。犬に対しても、あくまで体罰は避けるべき手段です。つまり「叩き癖」という言葉は犬ではなく人の癖のことを指しています。

今日まとめた方法を全て実践して、犬との関係性やその子の個性を改めて見直したうえで、それでもうまくいかないのであれば、体罰へ向かうのではなく、専門家に相談するなど他の方法を考えてみましょう。人間と同じで、犬も感情を持っています。叩くことで解決することはあまりないと思います。悲しい癖がついてしまわないよう、人間の方も気をつけて過ごしたいものですね。

②罰するタイプの首輪を付ける

これも上記の叩くに続き、体罰と言えるタイプのしつけ方です。しつけの補助的なグッズとして、電流の流れるものや、犬にとって嫌な臭いが発せられる首輪などが存在します。ですが、もしあなたが犬の立場だったらどうでしょうか。ご飯がほしい、トイレに行きたいなど伝えたくて声を出していたら、電流が流れる…。きっともう恐怖で声を発することは出来ないですよね。特に電流が流れる首輪は、使い続けることで皮膚の病気や、精神的な疾患を発症する恐れもあります。

実際に私は保護犬の活動をしているので、そういった罰を多く受けてきたであろう犬たちを見てきました。彼らは全てのことに臆病で、いつも怯えた哀しい目をしています。一度染みついてしまったその恐怖は、治すのに膨大な時間を要します。どうかそんな犬がこれ以上増えないことを祈るばかりです。

また、専門家ならそういうものを使いこなせるという考えもあるようですが、これはあくまで私見になりますが、本当に有能なトレーナーさんはそのような道具がなくても、犬たちと信頼関係を結び、明るく楽しい心を保ちながら、正しいカタチで吠える犬のしつけを行えるのだと思います。

また、他にも、お酢をかける・口輪を付ける・超音波を流す…など、吠える犬に対して罰する形は様々あります。ですが、以上のことにおいて共通してお伝えしたいことは、恐怖で犬を律することは決して正しい方法ではないということ。一時的な解決になるどころか、余計に悪化させることにも繋がりかねません。

また、人間にとっても犬にとっても、それは幸せな生活とは呼べないでしょう。恐怖や痛みではなく、吠えないと良いことがある!吠えるより楽しいことがある!と犬が思えるような、ハッピーなしつけの方法を選んであげてくださいね。

おわりに

わたしは、「無駄吠え」という言葉は本来ないと考えています。犬にとって吠えるというのは手段のひとつでしかなく、それはつまり、なにか言いたいことがあったり、感じていることがあるんだよ!ということです。それを、吠えるというやり方ではない方法があるよと教えてあげられるのは人間だけです。

また、吠えることが少なくなれば、人間自身も、もっともっと犬との暮らしを楽しめますよね。犬と人がお互いにハッピーな気持ちで暮らせる毎日。そのためにも、どうぞあなたの家族である犬のことを、これをきっかけにもう一度よく見てあげてください。愛犬のことを一番理解し、幸せにできるのは、他でもないあなたなのです。


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