犬のしつけ方

子犬の甘噛みを「噛み癖」にしないしつけとは!?

2017/03/26

子犬 噛み癖 しつけ

子犬が飼い主さんと遊んでいる最中に手を甘噛みしたり、じゃれついて足を噛んだりするのはよく見られる光景です。子犬らしい愛らしい風景ですが、飼い主さんの反応によっては、将来の噛み癖につながってしまうことがあります。

深刻な噛み癖に発展する前に、適切なしつけで対処しましょう。

1. 子犬が甘噛みをしてしまう理由

子犬同士でじゃれ合うなかで、お互い噛み合う姿を見ることがありますよね。犬にとって噛むという行為は、攻撃の武器であると同時にごく自然なコミュニケーションでもあります。気になるものはかじってみる、気に入ったものはくわえて運ぶ…

噛む=攻撃する、と短絡的に結び付けて考えがちですが、遊びながら甘噛みするのは相手に対する好奇心や親愛の情の表れでもあります。

また、4~6か月齢の時期は乳歯から永久歯への生え変わりの時期でもあるため、むず痒いなどの理由でひたすら物をかじったりします。その延長で飼い主さんの手に歯を当てたりもします。

もうひとつ、見落としてしまいがちな理由として「ストレス」「恐怖や嫌悪」があります。執拗に噛んでくる、飛びついてくる、噛む強さが強すぎるなどの場合は子犬の生活環境を見直し、子犬に物理的、精神的なストレスをかけていないか注意してください。

また、犬の嫌がることや怖がることをしたとき、しようとしたときにそれを阻止するために噛むことがあります。

2. しつけの基本は「痛い」「ダメ」と伝えること

子犬の噛み癖のほとんどは、悪気があって噛んでくるわけではなく、遊びの延長です。犬同士でじゃれているときは、お互いに噛み合うので強く噛んだら痛いということも自然と理解していきますが、相手が人間ではそうはいきませんから、噛まれたら痛いことを教えるしつけが必要です。

遊んでいる最中に噛まれたら、静かに、しかし強い口調で「痛い」「ダメ」と伝えます。同時に、遊びをやめて顔を背ける、その場を離れるなど「噛まれるなら遊びたくない」という意思を示します。

もちろん、子犬は一度ではわかりません。何度も繰り返すうちに理解していきます。人間の子供と同じように、ダメなことはダメと何度でも教えてあげなくてはいけません。

同時に、「噛んでいいもの」として玩具やガムなどを与えてください。そして、それらを噛んでいるときはにっこりと見守り「いい子だね」と声をかけるなどして褒めてあげましょう。

3. 騒ぐ、叱るはしつけに逆効果

甘噛みされたときに、痛くてつい乱暴に手を引っ込めたり、「きゃっ」と叫んだり、大きな声で叱ったりすると、子犬は興奮してますます噛んできたり、あるいは反応を楽しんでわざと噛むようになったりすることがあります。あくまでも口調は静かに、毅然とした態度でしつけることが大切です。

また、強く叱ったり叩いたりすると、怖い→噛むとなってしまい新たに噛み癖の原因をつくってしまいます。犬が恐怖を感じるようなしつけは逆効果になることが多く、飼い主さんが恐怖の対象になってしまうと信頼関係を回復するのに時間がかかってしまい、今後のしつけにも影響を及ぼすので気を付けましょう。

4. ストレス、興奮は噛み癖を助長する

クレートなどに入れっぱなしで自由に動き回れない、留守番の時間が長い、散歩が充分でない、しょっちゅう叱られている、いつも大きな音(声)がするなど…ストレスの多い生活をしていると、噛むことでストレスを発散しようとすることがあります。

子犬だけでなく成犬でも、ストレスが強いと執拗に物をかじり続けたり、人への噛み癖につながったりすることがあります。

こういった場合はまずストレスの原因を探し、その原因をなくしてあげることで噛み癖も落ち着いてきます。しつけはもちろん大切ですが、しつけに力を入れすぎてストレスいっぱいになっていないかどうか、愛犬をよく見てあげてください。

興奮させすぎるのも、噛み癖を助長します。子犬はどんなしぐさも愛くるしく、つい構いすぎたり一緒に遊びすぎたりしてしまいますが、常に興奮させていると落ち着きがなくちょっとしたことに過剰反応するようになり吠え癖や噛み癖につながります。子犬が遊びたがっているときに短時間だけ遊び、あとはそっとしておいてあげましょう。

5. 噛み癖をつくらない環境づくり

前述したとおり噛むことは犬にとってごく自然な行為なので、どんなにしつけが行き届いていても、本能的にとっさに噛んでしまう状況はあり得ます。

例えば、頭を撫でようと上から覆うように手を伸ばす、足や尻尾を引っ張る、後ろからお尻をつかむなどの行為は犬に危険と恐怖を感じさせるので、噛みついてしまうことがあります。

実際には噛みつく前に、鼻をペロペロ舐める、ウーと唸るなど「嫌だ、やめて」シグナルを出しているのですが、人間の側が気づかずにしつこく繰り返していると最終手段として「噛む」という表現になります。

いちど「噛む」ことで危険を回避すると、次に同じようなことが起こった時、ほかのシグナルを出す前にいきなり噛むことで解決しようとする場合があります。これが「噛み癖」となってしまうのです。

また、飛んできたもの、走るものに反応してくわえる習性から、犬の目の前で手をひらひら動かすのは「噛んでね」と言っているようなものです。

家族だけでなく、散歩ですれ違う人などがこれらの行動をして噛まれることが無いように防ぐのも飼い主の責任です。そして、子犬の頃から「噛む必要のない環境」をつくってあげることで「噛み癖を強化しない」ことも、重要なしつけなのです。

おわりに

「噛み癖」というと一括りに「悪いこと」と考えがちですが、噛むという行為は犬にとっては自然な行動で、とくに子犬の場合は遊びの延長や甘えの表現であり、攻撃性や反抗心を表していることは稀です。

小さな子供が好奇心から石ころや土を口にしまうようなものだと考え、温かく見守りながら、根気よく「ダメだよ」と教えてあげましょう。


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