犬のしつけ方

ペキニーズのしつけは中国四千年の摩訶不思議?

ペキニーズ しつけ

ふわふわの毛と大きな目、そんなぬいぐるみのような愛らしいルックスで大人気のペキニーズ。じつは中国原産の犬で、もともとは王朝の宮廷内で愛玩犬として飼育されていた犬種です。愛玩犬=見た目最優先であったその独特の歴史ゆえ、日本犬とも洋犬ともちょっと違った性格特徴を有しています。

室内で気軽に飼える小型犬らしい犬種ですが、その反面しつけを失敗すると全く懐かないまま家庭内別居状態に陥る危険性があります。ペキニーズのしつけはまさに中国四千年の摩訶不思議、ですね(笑)。そんな悲しいことにならないよう、まずペキニーズの特徴をよく知り、ペキニーズに合った上手なしつけをしてラブラブの家庭を目指しましょう。

1. ペキニーズは猫っぽい犬?

ペキニーズは、よく猫のような性格と言われます。それは自尊心が高く、マイペースなところがまるで猫みたい、というわけです。また、警戒心が強くて慎重なところ、他人になつきにくいところも猫っぽいと言えるでしょう。しつけも長時間拘束されるような練習は好みません。飼い主さんだけ空回りして、言う事を聞かなくなるか、飽きて無視してしまう子が多いです。

では猫のようにしつけを諦めてトイレトレーニングだけをしておけば大丈夫なのか?といいますとそうではありません。本質は犬なのですから、飼い主との信頼関係をつくるためには、やはり犬らしいしつけが必要です。

2. しつけは飼い始めの時期を大切に!

ペキニーズは多くの方が1歳未満の2~5か月の時期に飼い始めると思います。その時期は犬にとって社会化期という時期です。他の犬や人間とどのようにかかわることができるか、が決まるしつけにはとても重要な時期なのです。

特に初期で最も重要なのは、人間に体を触られることを嫌がらないようにすることです。ペキニーズは動物病院やトリミング、マッサージなどを嫌って暴れたり噛んだりといった問題行動を起こすことが多いのです。体が小さい分逆に加減が難しく、暴れる子を制御するのは至難の技です。

それを防ぐために、普段から触られ慣れさせておく必要があります。日々の遊びの中でも積極的にペキニーズの体に触れ、また褒めるときも頭や背中を撫でる動作を取り入れていきます。子犬時代に人間の手に慣れさせておくと、後々の生活が格段に楽になります。ブラッシングも積極的に行いましょう。

お腹まわりやしっぽ、口元などは触られるのを嫌がる場合もあります。おやつをうまく使って、一定時間触らせてくれたら報酬をあげる、というふうにコントロールしていくのが良いです。飼い主に自由に触らせると良いことがあるとしつけしていきましょう。

3. 気ままな性格には毅然とした対応を

ペキニーズは空気を読めませんから、しつけを行うときは毅然とした態度で接することが基本になります。あいまいな態度はペキニーズを混乱させ、もともと低めの集中力を乱します。しつけの動作には、過剰なくらいメリハリをつけて飼い主の意思を伝えようとするのがペキニーズをうまくコントロールするコツです。幼児番組のうたのお姉さんくらいのイメージでちょうど良いです。

ふらふらせずに、できるだけいつも同じ大きな動きとはっきりとした口調で「コマンドを出す」、「褒める」、「叱る」の3つの動作を行うことを心掛けます。これがばらついているとペキニーズにはうまく伝わらないことが多くしつけを失敗します。

4. 一芸は不要!しつけの基本をしっかりと

ペキニーズの性格の特性から考えて、芸達者になる可能性は低いと思われます。「おすわり」「伏せ」「待て」「ハウス」および、呼び戻しの5つのしつけがしっかりできれば十分です。基本的なしつけをしっかりすることで、飼い主との主従関係が明確になり、また信頼関係も構築されていきます。どれもおやつと絡めて練習すると良いでしょう。

まず「おすわり」です。おやつを手に持ち、ペキニーズの顔より高い位置で見せます。注目してきたらゆっくりおやつの高さと距離を調整すると、犬にとって自然と座ったほうが見やすい位置があります。犬が座ろうとしますのでそこを見逃さず、おすわりとはっきり声を出します。数秒そのまま待機できたら、褒めながらおやつをあげてください。

「伏せ」は犬がおすわりをした状態で、飼い主はおやつを手に握りこみ、ゆっくり地面に近づけます。すると犬はおすわりの状態から、顔を地面に近づけて伏せの状態に移行します。そこで伏せと声を出し、数秒待機できたら褒めながらおやつをあげます。

「待て」は伏せが完成した状態から、おやつを手で直接あげるのではなく、指先でつまんだおやつをゆっくりと地面に置こうとします。このときおやつと反対の手はペキニーズの顔の高さで大きく手のひらを開いて動きを制止する形を取ります。そこで食べようとしたら手でおやつを握りこみ、反対の手で静止します。落ち着かせたらおすわり⇒伏せからやり直します。待てと声をかけながら地面におやつを置き、数秒待つことに成功したら「よし」といって食べさせ褒めましょう。

5. ペキニーズだからこそハウスと呼び戻しは重要!

「ハウス」については、まず部屋の中にペットキャリーやケージのようにペキニーズが安心して隠れられる場所を作ってあげます。この安全地帯はなるべく部屋の角に場所を固定してあげると、犬が安心して滞在できるようになります。そして指示があればそこに入る練習をします。「ハウス」と声をかけながらおやつを持った手で先導してハウス内に入らせ、入ったらおやつをあげます。これができるようになったら、おやつで先導せずに指示だけで入る練習です。

最後に呼び戻しです。ドッグランなどの屋外でペキニーズをノーリードで自由に遊ばせたい場合、呼び戻しは絶対に必須なしつけです。なにしろまだ遊びたいと逃げ回る小型犬を捕まえるのは本当に大変です(笑)。ペキニーズは呼び戻しができていない子が多いのでしっかり練習してください。

呼び戻しの初期はやはりおやつを使って練習します。まず前述のように伏せをさせた状態で待てをさせ、そのまま飼い主さんはおやつを持ったまま後退して距離を取ります。そして「おいで」と声をかけ、来たらおやつをあげて褒めます。これをだんだん距離を離して練習します。いつでもできるようになったら、今度は飼い主と離れて一人で遊んでいるとき等においでをしてみましょう。それで来るようになればほぼ完成です。あとはドックランで距離とって練習することと、犬が何かに夢中になっていても指示に従えるように練習することです。

おわりに

ペキニーズは部屋飼いであれば、吠えてもそれほどうるさくないため、ある程度放置していても大問題になることはめったにありません。なんとなく飼えてしまいます。それゆえきちんとしたしつけを面倒臭がって諦めてしまう方が多いのです。

しかし犬との信頼関係をきちんと構築できなければ、ペキニーズ本来の魅力を引き出すことはできず飼っている意味が半減してしまいます。犬だって人間と仲良くできたほうが幸せなのです。犬を含めた家族みんなの幸せのためと思って、根気良くしつけを頑張ってみてください。


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